鷗外全集も読む日記

ちくま文庫版 「森鷗外全集」も読んでいく日々。

「独逸日記」#5(pp. 10-11、1884年[明治17]10月20~22日)、団菊じじい

昨日は、栃木県矢板にて、打合せとトークイベントに参加してきた。
場所がコワーキングスペースも併設されているところで、打合せとイベントとのあいだに時間がありそうだったので(じっさいにあったのだが)、勉強道具一式も持参したが、打ち合わせ後に誘われてJR矢板駅周辺をウロウロしていたら、あっという間にトークイベントの時間。従ってレポートの進捗はナシ。

栃木産のいちご。大ぶりで完熟していて甘さはグンバツでした

日付が22日から23日へ変わる頃に自宅へと戻った。ポストを見ると、関川夏央『私説昭和史3 昭和時代回想』(中公文庫)が届いている。

これで氏の「私説昭和史」シリーズ完結した。もともと出版されていた作品を「昭和史」シリーズに改編したものだが、手元にある元本(もとほん)が古くなっていたので買い直してみた。
(本を読むときのルーティンで)いつものように、巻末のあとがきから読むが、ふと目に留まったのが〈団菊じじい〉。

「団菊じじい」とは遠く明治の名優、九代目市川團十郎五代目尾上菊五郎をこの目で見ていると自慢する人、要するに繰り言を言いながら「昔はよかった」といいたいじいさん連を指す言葉だ。いまならNHKプロジェクトX」の再放送に涙する「昭和じじい」であろうか。

拳拳服膺。

関川には司馬遼太郎についての作品もあり(わたしの知人が「面白くないんだよなあ」と腐していたことをいつも思い出す。彼は筋金入りのシバリスト[司馬遼太郎ファン])、ちょうどNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の再放送も「旅順攻略」のクライマックスにも差し掛かっているところでもあって、これまでどうにも読み終えられなかった『坂の上の雲』(文春文庫)を読み通そうかと考えている。
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「独逸日記」の続き。
1884年)10月20日
この日も橋本から指示されたように、大山陸軍卿を送って「Anhalter Bahnhof」(アンハルター駅)へと出向く。卿との別れ際に、「風土に侵されざる用心せよ」と言われている。土地の病気(も含んだ環境のことか)には気をつけろとアドバイスを受けている。

10月22日。
午後2時半に汽車でベルリンを出立し、ライプツィヒへ夕方の5時35分に到着。渡独のときに同船していた萩原三圭が迎えていた。彼は医学博士であり小児科医の権威であった。

ここからはライプツィヒでの滞在日記になるが、この後は「独逸日記」から少し河岸を変えてみようと思う。