鷗外全集も読む日記

めし、風呂、大学の勉強、ときどき「森鷗外全集」も読んでる。

「文づかひ」#3

なんと、今日も横浜DeNAベイスターズは中日ドラゴンズに勝って、これで4連勝。〈投打が噛み合ってきた〉とはまさにこのことで、6月の鬱憤をここから晴らしていきたいところ。

さて、明日から出張なので、このブログは少し休みます。


「文づかひ」の続き。
thx4u.hatenablog.jp

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寄せ手の軍勢が丘まで進んだところで、今日の演習は終了して、いつもの結果判定もひと区切りついたところで、わたしはメールハイムとともに大隊長の後ろに付いて、今晩の宿へと急ぎ進んでいったのですが、中高(なかだか)に造った舗装道路は美しく切り株が残っている間をぬっていくと、ときどき水音が聞こえるのは、木立の向こうを流れるムルデ河に近づいているということなのでしょう。大隊長は40歳を3,4つ越えているんだろうと思わせる人で、髪の毛はまだ褐色色を失っていないのですが、その赤がかった容貌を見ると、額のしわの波もけっこうなものでした。飾り気がなく、素直で真面目な性格なので無口ではありますが、二言目三言目には「わたくし一個人としては」と断る癖がありました。突然、メールハイム男爵の方を向くと、「貴君の許嫁を持たれるのを待っているんだ」と言いました。
「許してください、少佐殿。わたくしにはまだ許嫁はございません」
「そういうことか。わたしの言ったことを悪くとってくれるな。イダのお嬢様について、わたし一個人としては、そう思ったまでのことだ」。(つづく)

「文づかひ」#2

昨日(7/5)で、7月の科目試験は終了した。今回はトータル4科目の受験で、しっかしさすがに疲れを感じている週明けの月曜日。
次回の試験は10月だが、いまのところパスするつもり。ちょっと遠出しますんで。
なので、わたしにとっての次回の科目試験は来年(2027年)1月になる。6科目試験を狙いたいがそうは問屋が卸さないかな。いきなり6科目は無謀だとは解っちゃいるが。

森鷗外「文づかひ」訳のつづき。試験終わってヘロヘロなので、刻んでいくがご勘弁。仕事も週末までびっしり埋まっているのでオジサンには辛いことである。

前回。
thx4u.hatenablog.jp

小林という弱輩史官による、ドイツでの経験談がつづく。

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9月初めの秋の空は今日もまた稀な藍色で、空気は透き通っていることもあり、隅々まで残るところなく鮮明に見えるこの一群の真ん中に、馬車を一台停めさせて若い貴婦人たちの何人かが乗ると、様々な衣裳の色合いが映えて、ひとむらの花々のような着飾ったその一団は華やかで、立っている人たちはシェルベ、座っている人たちは帽子の紐を風にひらひらと吹き流していました。
その傍らで馬を立たせている白髪の老人は角ボタンをとめた緑色の狩猟服に、薄い褐色の帽子を被っているだけなのですが、何となく訳ありに見えました。

彼から少し引き下がったところで白い馬を控えさせている若い女性に、わたしの目がしばし留まりました。鋼鉄のような黒い乗馬洋服の裾はやや長く、白い薄絹を巻いた黒い帽子を被ったその身の体構えは気高いのに、ちょうど向こうの森陰からわらわらと打って出てきた猟兵たちの勇ましい姿を見ようと、人びとが騒いで彼女のことは一顧だにしなかったのには何とも首を傾げてしまいました。


「素適な方に心を留められましたな」と言ってわたしの肩を軽く叩いた、長い八の字ヒゲをたくわえた明朗な若い史官は、同じ大隊本部に所属している中尉で、フォン・メールハイム男爵という人でした。
「あそこにいらっしゃるのは、わたしと面識があるデーベンの城主ビューロー伯爵のご一族ですよ。本部の連中が今夜泊まるのはその城なので、貴君にもお付き合いになる便宜がおありでしょう」と言い終わったとき、猟兵がだんだんに我々の左翼へと迫ってくるのを見て、メールハイムは駆け去って行きました。
この人とわたしとの交流はそれほど長くはないのですが、良い性格の持ち主です。(つづく)

科目試験初日 / 先発完投!

今日は、四半期に一度の科目試験初日。わたしは[東洋史概説Ⅰ]と[漢文学Ⅱ]を受けた。
ほぼ〈ライフワーク〉と化してまったく合格できない[東洋史概説Ⅰ]だが、ようやく足掛かりになりそうな問題がでた。なんとか引っかかってCでもいいので単位化できたら嬉しいんだけど。
もうひとつの[漢文学Ⅱ]は、論語を扱っているのだが、やっぱりそうきたかという課題であった。しかしこれにきちんと対応するとなったら、それはそれで気長に向き合うしかない。

明日の第2日目も2科目アリ。もちろん、ほぼノー勉で臨む。

このまま行くと、文学全集を読むブログじゃなくなって、横浜DeNAベイスターズブログにもなりそうだが、今日は許して欲しい。
今夜はなんといっても、篠木健太郎投手に始まり篠木健太郎投手で終わった試合。130球で9回完投。よかったなあ。牧、梶原、筒香と〈三役揃い踏み〉でホームランは打ったけど、先発投手が9回を投げきったというところに大殊勲を送りたい。

ということで、明日も科目試験があるのでそろそろ寝ます。

半径3メートル以内 のこと

今日は午後半休して、夕方にG検定の試験を受けた(なので「文づかひ」訳はナシ)。
G検定・・・AIに関する検定試験だ。民間だが、現時点ではほぼ国家資格に近い立ち位置にあるだろう。
100分で145問に回答しないといけない。1問あたり約40秒ほどで答えないと間に合わないのだ。後半はとにかく時間が無かったという印象しかない。

18:00前にはゲームセット。自分で自分の健闘を讃えて、アルコールで喉を潤した。

昨日から今日にかけて、わたしの半径3メートルの範囲ではいくつかニュースがあった。

  • 実務試験(初級)のひとつに合格した。来月8月から実務訓練に入る。また忙しくなる。
  • 横浜DeNAベイスターズは昨日(7/2)、広島カープ戦でひどい試合をして(引分けに終わったが、それ以上に後味の悪い試合だった)、今日の東京ヤクルトスワローズ戦(初戦)は後に引きずらない勝ち方をしてくれた。シンプルに「勝つこと」は気持ちのいいことだ。個人的には梶原選手が活躍してくれたので嬉しかった。明日も頼みます。
  • 村上春樹の最新刊『夏帆』(新潮社)が発売された。すでに雑誌掲載中には読んでいたので、単行本はそれをほぼなぞることになるのだが、再読を楽しみにしたい。

「文づかひ」#1

今週は試験が金土日と続くので、その対応のためかなり更新が緩やかになる。もうケツに火がついて真っ赤っ赤なのだ。

ドイツ三部作の掉尾である、「文づかひ」を(なんちゃって)現代語訳してみる。しばらく続くだろう(全部訳せるかどうかは自信がない)。
〈なんちゃって〉とつけたのは、わたしが国文法をまったく解っていないからだ。時制やら微妙なニュアンスやらはたぶんあちこち間違っているだろう。改行その他、文意を損ねないように読みやすくしているつもり。

我が宮様が主催された星が岡茶寮の[独逸会]では、洋行帰りしてきた将校たちが順番に自分の体験談を話しており、今宵は貴君の物語を聴かせてもらうことになっていて、それを殿下も待ちかねていらっしゃるのだよと促されると、まだ大尉に昇進して間もないと思える小林という年若い史官が、口に咥えていた巻きタバコの灰を火鉢のなかに落とすと、こう語りはじめた。

ザクセン国軍に従って、秋の演習に付いていった時のことです。ラーゲヴィッツ村のあたりで、標旗(しるしばた)を立てて仮想敵として展開した対抗部隊を攻略する日となりました。
小高い丘陵にまばらに兵を配置するとそれを敵と定め、地形の起伏、木立、田舎家屋などを巧みに防御として利用しつつ、四方から攻め寄っていく様子はなかなかお目にかかれない見応えのある眺めだったので、近所の民たちがここかしこに群れをなしたのですが、そのなかに混じった少女たちがみな黒い天鵞絨(ビロード)のミーデル(胸当)をしていて晴れがましく、小皿を伏せたようなふちの狭い被り笠をしてそこに草花を挿しているのも感興湧き立って、持ってきてかけたメガネであちこち忙しく見渡したくらいに、向こうの丘にいる一群をもっと見てみたいと思ったのでした。(つづく)